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日々の出来事を綴っていきます。毎日些細なことでもすばらしいと感じとれる気持ちでいたいです。


by nadeshiko-mayumi
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ありがとう、パピィ

パピィの葬儀 12月13日(水)

葬儀はでたくさんの光が差し込む厳かな雰囲気の中で始まりました。
教会の入り口からたくさんの花束が寄せられていました。
中でも目を惹いたのがローズよりややピンクがかった上品な大きな薔薇の花束。
そこにはパリのブーランジュリーよりというカードが添えられていました。

そうなんですよね。
パピィはパン職人さんだったんです。
そこで思い出されるのが、夕食後にモード関係のテレビ番組を見ていたときのこと。
モノクロの映像でクリスチャンディオールの映像が出てきました。
普段あまり自分から言葉を発しない控えめなパピィがうれしそうに
「彼は本当にやさしくていい人だった」ということを嬉しそうに語ったんです。
そこへマミィが黙っていられずに(という雰囲気がしました)
彼は常連さんでタルトフレーズ(確か・・)が好きだったと。
私は、ただただ驚嘆していたんです(あまりにパリを実感する話だっただけに)。
ちなみに息子さんがパン屋を継いでいらっしゃいますが、お顔はパピィにそっくり!
雰囲気も同じく職人さんという感じで、親方の風格が漂っています。

そういえば、息子さんのミシェルにまだ会っていない、挨拶できていないと思い
11月入ってから、勇気を出してお店を訪れてみました。パピィとマミィにケーキを買おうと思い。
ご本人はいらっしゃらなくてその際にはお会いできなかったんですが、販売の女性の方にパピィとマミィの好みのケーキを伺ってカットされた違う種類ものを3つ買って帰りました。
マミィは大そう喜んでくれて、パピィにも説明してくれました。
そして夕食後にケーキを食べる際に、パピィに先に好みのものを選んでもらおうと思ったんですが・・・
パピィはうれしそうに全部試してみなさいと言ってくれて結局、私は2個近く頂いてしまいました。どのケーキも本当においしかったです。
今は息子さんが作っているとはいえパピィの味が受け継がれているのではないかと思います。
そして全部試してみなさいと言って勧めてくれたパピィのやさしさや職人気質もそのときに垣間見れた気がしました。

自分からは話をすることはありませんでしたがパピィはカードゲーム(名前を忘れてしまいました)でフランスで一番になったことがあったらしく新聞にも載ったそうです。それはマミィが自慢していました。
ですからパン屋をリタイアした後も、そのクラブには毎日通っていらっしゃいました。
自分のことを決して自慢しないパピィに私は本当に尊敬の念を抱いていました。
いつも暖かく見守ってくれていました。

そのパピィが棺に入って運ばれてくるときには、私はまた堪えきれずに泣いてしまいました。本当のさよならのときが来たと。
「パピィ、ありがとう・・・」と見送るつもりが、やっぱり悲しかったです。
途中、司祭様の言葉の後にパイプオルガンの演奏と共にお見送りの歌でしょうか。
女性の歌声が流れてきました。
美しい響きでした。その調べを聴いていると段々と気持ちが静まってきました。

最後の最後に棺が運び出されるのを見送る際は、また自然と涙が込み上げてきました。
横に立って一緒に見守っていたエドワードはそっと抱き寄せてくれました。
パピィの愛息子のような存在のダニエルとも抱き合い、みんなでパピィに思いをはせていました。

埋葬には参加しませんでした。パリから車で行かなくてはならない少し離れたところになるそうです。やはり身内だけで過ごす時間も必要でしょうし。
帰りにはエドワードとダニエルに釘を刺されました。一人で家に閉じこもってはいけないと、約束させられました。
今の家族や身内の方といい、周りの人たちは本当にとってもいい人たちです。
by nadeshiko-mayumi | 2006-12-15 01:35